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「楽しんできてね」と送り出した家族が帰らない…空前の低山ブームにひそむ遭難リスク 低い山で道に迷う納得の理由

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森で遭難して座り込んでいる男性
低い山ならではの、道に迷いやすい要因とは?(写真:Carbondale/PIXTA)

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「高尾山くらいなら」その気持ちが危険

数年前にある媒体からインタビューしていただいた際、「これからの目標はなんですか?」と聞かれた。

私は歩行にけっこうな問題があり、それでも普通に歩けるようになりたいものだから、パーソナルジムで訓練をしたりしている。

日ごろから、スタスタ歩いている人を見るたび、うらやましく感じていたりもしたので、そのときにも(あんまり深く考えないまま)こう答えたのだった。

「じつは登山に憧れるんですよ。でも現状では無理だから、トレーニングを積んで、せめて高尾山くらいには登れるようになりたいですね」

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低い山といえば思い出すのが高尾山だし、そもそも中央線沿線住民にとって、高尾山は小学生時代の遠足の行き先の定番でもあった。

だから咄嗟に答えてしまったわけだが、そのあとすぐ、自分の発言の稚拙さに気づかされることにもなったのだった。

低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』(羽根田 治 著、東洋経済新報社)の帯にも大きく書かれているとおり、どうやら日本一遭難の多い山は高尾山らしいからである。

いや、問題は高尾山だけではない。タイトルにも明らかだが“低山”、すなわち低い山での遭難のリスクを私たちは意識するべきであるようなのだ。

コロナ禍によって火がついた低山ブームは、ちょっとした社会現象となり、テレビのワイドショーやニュース、大手新聞、トレンド雑誌などでたびたび取り上げられた。登山専門誌も、それまであまり掲載しなかった低山特集を組むようになり、今では人気企画になっているという。
しかし、その一方で増えているのが、低山での遭難事故だ。もともと山岳遭難事故は年々増加傾向にあり、とくに1990年代半ば以降は、一時的に減少することはあるものの、非常に高い水準で増加してきた。とりわけ近年は、ブームに伴い低山での事故が目立つようになっている。(「はじめに」より)
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