だが、その発表の主軸も、メディアや業界関係者ではなく「ファン」だ。発表はまず、会場に詰めかけたファンの前で行う形式を採っている。熱心なファンに、最初に情報を届けるという方針があるからだ。
ディズニーは、2年ごとに行われるD23に向けて、大きな発表を集中的に準備する。ダマーロCEOも「D23のような大規模なイベントを実現するには大きな労力がかかる」と説明する。
一方で、それだけのコストをかけて、ファン向けのイベントを行う理由は何なのか。もちろん、ディズニーにとっては「ファンと向き合うことがなにより重要なこと」であるからだ。
「ファンダムを目にし、これらの場所や物語を特別なものにするために注がれたすべての努力が報われるのを見るのは、他と比べようがない体験です。ファンのために会社が全力を尽くし、ファンもまた、自分たちの愛を表現しています。ステージに上がって、ファンに最新情報を伝え、私たちが未来に向けてどこへ向かっているのかを語ることができるのは、本当に素晴らしいことです」(ダマーロCEO)
ディズニーランドからキャリアをスタート
ダマーロCEOは、ディズニーに勤め始めて30年になる。ディズニーランドの初級職からキャリアをスタートし、CEOにまでなった。前CEOであるボブ・アイガー氏はテレビ局であるABCからキャリアをスタートした生粋の「メディア人」だったが、そのアイガー氏から次のCEOとして直接指名された形だ。
アイガー氏からCEOに指名されたとき、ダマーロ氏がアイガー氏へと最初に告げたことは、「一緒にディズニーランドに行きましょう」という言葉だったという。
「会議が入っていなければ、私はいつもパークを歩き回っています。大勢の同行者を連れて歩くのではなく、自分一人でゲストやファン、キャストメンバーと話し、彼らの希望や懸念に耳を傾けるためです。リーダーにとって、消費者でありファンである人々が誰で、何を望んでいるのかを直接把握し続けることは、なによりも重要なことです」(ダマーロCEO)
だが同時に、ダマーロCEOにとっては、ファンに話を聞くことがなによりも大切な「エネルギー補給」であるとも話す。


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