有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #ジモトのアタリマエ──観光客の知らない知恵と常識

新鮮すぎるイカ刺しに、お手頃すぎる舌平目《九州一存在感が薄い県》にお宝ザクザク「外に出られない」佐賀、その実力と哀愁

13分で読める
「来久軒」の豚骨ラーメン
佐賀に帰ると訪れる武雄市の老舗「来久軒」の豚骨ラーメンは、生卵を乗せるのが「当たり前」だ(写真:筆者撮影)
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES

嬉野の実家では、これで鍋を作る。豆腐が崩れてスープが白くなったら、豆腐を食べつつ、野菜や肉を煮る。味付けはいらないが、物足りなければ顆粒だしを少し足したり、ポン酢やごまだれをつけたりしていただく。大豆の旨みが媒介となって、具材を包み込むまろやかさがうれしい。

同じ大豆から生まれた鍋でも、豆乳鍋とはなぜだか別物に仕上がる。一度固めた豆腐をまた溶かして食べる湯豆腐の鍋は、滋味深い。

締めは雑炊かうどん。すべての旨みを吸った米と麺が、これまた最高なのだ。しかも身体にいいものしか入っていない。罪悪感なし。最後の一滴までこすりとっていただくのが、わが家の定番だ。

実家では、温泉湯豆腐を鍋に。溶けた豆腐が具材を包み込むまろやかさがうれしい(写真:NOV/ PIXTA)

ちゃんぽんは長崎だけじゃないと前述したが、砂糖の通り道「シュガーロード」も長崎だけじゃない。だけじゃない佐賀、いろんなところに顔を出してくる。

シュガーロードとは、江戸時代、海外貿易の窓口だった長崎から小倉までの長崎街道のことだ。砂糖や南蛮菓子(カステラとか)がこの道を通って江戸へ運ばれた。2020年には日本遺産にも認定されている。

地元の図書館で見つけた『「肥前の菓子」シュガーロード長崎街道を行く』(佐賀新聞社、2006年)によると、街道25宿のうち13宿は現在の佐賀県にあった。しかも、佐賀藩の鍋島氏は長崎警備を務めていた縁で、長崎で砂糖を優先的に買い付けることができたそうだ。

砂糖の通り道と米どころが重なった佐賀には、素朴な菓子文化が育った。丸ボーロは知られているかもしれないが、私が大好きなのは白玉饅頭だ。ご存じだろうか?

佐賀名物の「白玉饅頭」。小麦粉も白玉粉も使わず、うるち米から作ったもちもちの生地で小豆餡を包む(写真:筆者撮影)

饅頭と言っても、よくある小麦粉の饅頭じゃない。白くて、箸で持つと生地がとろ〜りと垂れるほど柔らかい。もちなのか? 団子なのか? いや、口の中でさっと溶けて、飲んでいるような軽さの饅頭なのだ。原料は米とあんこのみ。6つ入りはひとりであっという間になくなる。佐賀を通るたびにサービスエリアで買ってしまう、素通りできない一品だ。

箸先が沈み込むほど柔らかな白玉饅頭。朝早くサービスエリアに立ち寄ると、ほんのり温かい、できたてに出合えることもある(写真:筆者撮影)
6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数