「どうしたら、できるようになるか」
子どものつまずきを見つけ、動作を分解し、必要なら実物を大きくする。模型を作り、歌にし、練習の方法を変える。小林氏にとって教材づくりは、子どもを教材に合わせるのではなく、子どもに合わせて授業をつくり直し、「できた」につなげるための作業なのだ。そうして生まれた教材を、今度はSNSで全国の教員に届けている。
「自分の授業のために作ったものが、ほかの先生の授業でも使えるなら、それはすごくうれしいですよね」
小林氏の投稿が支持されるのは、簡単にできてわかりやすい教材を紹介しているからだけではない。「この子は、なぜできないんだろう」「どうすればできるようになるんだろう」と考え続けてきた、教師としての視点そのものを共有しているからだ。
SNSは「答え」ではなく、教師が動くきっかけ
こうした小林氏の発信を、横山氏はどう見ているのか。
「子どもの『わからない』『困った』がわかっているからこそ出てくるアイデア。『なるほど!』という、ハッとするような発想をもらえるんです。自分の教材づくりにも生かせそうだなと。そういう一歩先のアイデアが、小林先生の強みだと思います」
その発想の源にあるのは、子どもの立場に立つ姿勢だという。
「子どもたちのつまずきや、『どうしたらわかりやすいか』を追究している。子どもファーストなんですよね。そこにすごく愛を感じます」
動画全盛の今だからこそ、実物模型やイラストを目の前に置く「アナログの力」にも意味がある。
「子どもたちは動画を見慣れているから、すっと流れてしまうこともある。でも小林先生は、実際に見せて、触って、わかる工夫をしている。徹底したアナログの良さが出ているのだと思います。デジタルとアナログを上手に活用できるといいですよね。そして、配信を通して、困っている先生に『大丈夫、できる』というメッセージを送っています。それは小林先生が言う『私たちができる』から、子どもたちの『大丈夫、できる』につながっていく。そこがとても大きいと思います」


※ログイン後、コメント入力が可能です。