転機になったのが、2023年12月に投稿した、色画用紙を縦横に組み合わせ、平織りの仕組みを学びながらクリスマスブーツを作る動画だ。23万回再生され、その後フォロワーが急増。1カ月に約1000人増える時期もあり、現在は1万人を超える。
最も再生された動画の一つは、割り箸とアルミホイルを使って「ぬい針の模型」を作る動画。累計172万回以上再生されたという。「割り箸にアルミホイルをぐるぐる巻いて、穴を開けると針ができるんです」と話すのは、小学5年生の「針に糸を通す」学習で、針の構造や糸を通す部分をわかりやすく説明するために考えた教材だ。
子どもがどこでつまずくのかを見つけ…
小林氏がこだわるのは、わかりやすい教材を作ることだけではない。子どもがどこでつまずくのかを見つけること。どう見せたら高学年が納得して作業するか、どうすれば『できる』に変えられるかを考え抜くことだ。
例えば、針に糸を通す授業では、実物の小さな針をそのまま見せるのではなく、針と針山を大きくした模型を手作りする。針は割り箸とアルミホイル、針山はお菓子の箱や綿、フェルトなどを使い、教室の後ろからでも見える大きさにする。
ホワイトボードに貼り、糸を斜めに切ることや、針の穴に糸を通す動作を、実物では見えにくいところまで拡大して説明する。また、針に糸を通す際、糸を斜めに切るのは、針の穴に通しやすくするため。その理由も、実際の糸を拡大した模型を使って示す。
「動画だと、どうしても平面にしか捉えられないんですよね。だからこそ、目の前に立体物を置く。見えにくいものは大きくするんです」
ミシンの授業でも、同じ発想が生きている。下糸の準備やセットでつまずく子どもが多ければ、ボビンの向きや下糸を引き出す方法をわかりやすく示した板書を考える。
さらに、玉結びがスムーズにできるよう、指の形を「こんこんきつね」に見立てて歌にする。調理実習では、全員が順番に作業するのを待つのではなく、事前に模型を使って練習することで、待ち時間を減らし、一人ひとりが実際の調理に参加できるようにする。一つひとつは小さな工夫に見える。だが、その根底にあるのは一貫している。


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