家庭科室が授業以外の用途に使われ、十分に授業準備ができなかったり、ミシンなどの設備が古かったりするケースもある。さらに、家庭科を「料理や裁縫が得意な先生が教えるもの」、あるいは「家庭で身につけた家事経験があれば教えられるもの」と捉える風潮も残る。
「今、教員として働いている先生たちが、そもそもどういう家庭科教育を受けてきたのか、という問題もあります。教員養成の段階から、家庭科を教える力をどう育てるかを考えなければいけないと思います」
「明日の家庭科に間に合うもの」をSNSで
こうした「家庭科をどう教えればいいのかわからない」という先生たちの悩みに向き合う中で、小林氏が大切にしているのが、子どもたちの「できた!」という経験だ。できなかったことでも、練習してできるようになる。その経験が自信になり、やがて計算や縄跳びなど他のこともやってみようという気持ちにつながっていくと考えている。
「できない子をそのままにしないんです。どこでつまずいているのかを見つけて、一つひとつの技能を細かく分解して。どうしたら『できた』につながるかを考えて、教材を工夫しています」
そうした実践を、全国の先生たちに届けているのが、小林氏のInstagramだ。小林氏がInstagramを始めたのは2023年。きっかけは、時間講師として複数の学年を担当するなかで、授業準備に苦労した経験だった。
5年生の授業を終え、短い休み時間の間に板書を記録し、次は6年生。さらに給食を挟んで別の学年――。
「板書をはじめ授業の準備するのがすごく大変だったんです。きっと私だけではなく、同じように困っている先生もいるのではないかと思って。そこで、『私が作ったものを、全国の先生たちにも使ってもらえばいいのではないか』と思いました」
Instagramの使い方を本で学び、友人に聞きながらアカウントを作った。そして、「明日の家庭科に間に合うもの」をコンセプトに投稿を始めた。


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