悉知さんが不登校の子どもの進路選択の最大の課題と考えるのは、学校や地域による対応の格差と属人性だ。
「自身のいじめ被害や不登校の経験から、『先生ガチャ』『学校ガチャ』を実感しました。担任や学校の理解によって進路が左右される現状には問題があります。公的な情報提供を充実させ、所得に応じた学習費用の支援なども必要です。大学側も、通信制高校や不登校の経歴を一面的に捉えず、本人が積み重ねてきた学びや活動を丁寧に見る姿勢が求められます」
いじめ被害による不登校については、学習支援だけでなく、学校外の相談機関や行政、司法的支援など、救済手段を複数整え、周知して支えていく必要があるという。
そのような問題意識から、悉知さんは現在、行政書士の資格による信頼性も生かしながら、国や自治体への政策提言、要望活動、講演による社会啓発を活動の主軸に据える。
「学校や自治体へ個別に働きかけるだけでは、地域や担当者による差をなくせません。子どもの学ぶ権利が侵害されない社会にするため、普遍性や統一性を持つ法律や制度を改善するアプローチが必要だと考えています」
「数年間のブランクは誤差」、家庭を安心できる場に
最後に、学校へ行けず将来に不安を感じる子どもたちへ、悉知さんはこう呼びかける。
「まずは焦らないでほしいです。人生全体から見れば、数年間のブランクは誤差で、充電期間と捉えることもできます。心と体を大事にし、少し意欲が戻ったら、勉強でなくてもよいので興味のあることをゆっくり深めてください。それが将来の道につながっていくはずです」
保護者には、「今の状態を受け入れ、家庭を安心できる場所にしてほしい」と伝える。
「子ども自身も、ずっとこのままでよいとは思っていません。ただ、心と体が動ける状態ではないのです。保護者の方が支援や進路の情報を集め、子どもが『動きたい』とサインを出したときに選択肢を示せると、大きな支えになります。信頼関係を土台に、子どもを責めたりせかしたりせず、未来の選択肢を温かく示してほしいと思います」




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