留学先で有名な観光地を巡ることももちろん魅力です。しかし、その土地で人気のカフェへ行き、朝の公園を走り、地元の人たちと同じ時間を過ごす。そんな何気ない体験の積み重ねこそが、その街を深く理解する近道なのではないでしょうか。
ウィニペグで過ごしたこの朝は、英語を学ぶ以前に、その土地の文化や価値観、人との距離感を学ぶ時間になっていました。
オトナ留学は「学校選び」から「街選び」の時代へ
今回の出張では、ウィニペグだけでなく、バンクーバーやトロントでも大学やカレッジ、語学学校を訪問し、多くの教育関係者と意見交換を行いました。
20年以上留学業界に携わってきましたが、改めて感じたのは、社会人留学の目的が大きく変化していることです。
バンクーバーでは、語学学校が進学準備やキャリア形成まで見据えたプログラムを充実させ、高校生からシニア世代まで幅広い学生を受け入れていました。実際に、50代、60代はもちろん、70代まで学んだ実績がある学校もあり、留学は年齢を問わず挑戦できる学びへと変化しています。
またトロントの語学学校では、親子で参加し、子どもはジュニアコース、保護者は30歳以上向けのプログラムで学ぶケースも増えていると聞きました。英語力の向上だけでなく、現地で生活し、多様な文化や価値観に触れること自体を目的とする人が増えていることを実感します。
22年ぶりに訪れたトロント大学でも、大きな変化を感じました。
当時は、自分自身のことで精いっぱいでした。しかし今回は教育関係者としてキャンパスを歩き、学生が入学後に幅広い分野を学びながら、自分に合った専攻を見つけられる柔軟な教育制度について話を伺いました。専門知識を深めるだけでなく、社会にどう貢献できる人になるかを重視する教育理念が印象に残っています。
もちろん、それぞれの学校には特色があります。
しかし、今回3つの都市を巡って共通して感じたのは、留学の価値は学校の中だけでは完結しないということでした。
朝、公園を走ること。
地元で人気のカフェへ行くこと。
地域のスポーツを応援し、歴史ある建物を歩き、その土地で暮らす人と同じ時間を過ごすこと。
そうした一つひとつの体験が積み重なって、その街への理解が深まり、自分自身の価値観も少しずつ変わっていきます。留学先を選ぶとき、どの学校へ行くかはもちろん大切です。


※ログイン後、コメント入力が可能です。