それと同じくらい、どんな街で暮らしたいかを考えることも、これからのオトナ留学では欠かせない視点ではないでしょうか。ウィニペグで過ごした数日は、そのことを改めて教えてくれました。
56歳になった今だからこそ分かったこと
34歳で初めてカナダを訪れた頃は、英語を身につけたい、自分を変えたいという焦りでいっぱいでした。22年が経ち、56歳になって再びこの国を訪れると、心に残ったものは少し違っていました。
朝、公園を走り、人気のカフェで朝食を楽しみ、街を歩きながら、その土地で暮らす人たちの日常に触れる。夜は地元の野球場でビールを片手に試合を観戦し、ホームランが飛び出せば、隣の席の人と自然にハイタッチを交わす。観客席のすぐ横を貨物列車がゆっくりと通り過ぎる風景も、今ではウィニペグを思い出す大切な記憶の一つです。
どれも特別な観光体験ではありません。むしろ、この街で暮らす人たちにとっては、ごく当たり前の日常です。しかし、その日常の中に身を置いたからこそ、街の空気や人との距離感、その土地に流れる時間の豊かさを感じることができました。
英語を学ぶだけなら、日本でも方法はいくらでもあります。
それでも海外へ足を運ぶ意味があるのは、その街でしか出会えない人がいて、その街でしか過ごせない時間があるからではないでしょうか。
今回のカナダ滞在では留学を取り巻く環境が大きく変化していることを実感しました。しかし、海外で暮らし、その土地の人たちと時間を共有することで視野が広がるという本質は、今も変わっていませんでした。22年前の留学は、人生を立て直すきっかけになりました。そして今回のウィニペグでの時間は、人生を見つめ直す機会を与えてくれました。
ウィニペグを離れる頃には、観光で街を訪れたという感覚はありませんでした。
一日だけ、この街で暮らしていた。
その時間こそが、56歳の今だから出会えたオトナ留学だったのかもしれません。


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