磯貝:目に入るから、「やりたくないな」とか考える前に動けるんですね。
堀田:しかも、すぐに取りかかれる状態にしておくことが大事ですね。目に入るところに置いてあるだけでパソコンの電源が落ちていたら、それを「わざわざ起動する」という行動を起こすまでの間に「やりたくないな」という考えが浮かぶリスクが高くなるので。
磯貝:そういうふうに、いわば初期設定をどうしておくかって、すごく大きな分かれ目になる気がします。パソコンが電源オンのまま置いてあるのに、「あえて仕事をしない」のは不自然ですよね。そんなふうに「やらない」選択をするほうのハードルを高くしておく。
堀田:そう。うまい仕組みって本当にちょっとしたことなんだけど、それが大きな違いにつながるんですよね。
この習慣で、脳を「勉強」「記憶」モードにする
磯貝:自分を勉強に向かわせる仕組みというと、私は、好きな文房具をそろえておいて「これを使いたいから勉強する」という感じにしています。先生の本にも書かれていますけど、「これを使うときは勉強する」みたいなパターンづくりは、私自身、けっこう実践してきた覚えがあります。
堀田:そうそう。お気に入りの文房具やマグカップなど「勉強するときに使う小物」を決めておくと、その小物の存在が一種の「コンテクスト効果」になる。脳が「この小物があるコンテクスト(文脈・環境)では勉強するんだ」と認識するから、「よし、やろう」ってなりやすいんですよね。
磯貝:あと、仕組みとは違うかもしれませんが、社会人になって学ぶ習慣が途切れてしまっていた時期にTOEFLを受けようと思ったときは、「先に申し込んでしまう」という選択肢をとりました。私はコツコツできるタイプではないとわかっているので、自分に火をつけるために、まず申し込んだんです。
堀田:人間、時間があればあるほどたくさん作業をこなせるわけではなくて、与えられている時間が多いと、むしろ余計な手間をかけたり、先延ばしをしてしまう。これを「パーキンソンの法則」と言いますが、締め切りがなかったら永遠に着手できない可能性があるので、先にデッドラインを決めてしまう。こうして「やらざるをえない状況」をつくるのは、とても効果的です。


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