堀田:もともと僕は大学で英語を学びたいと思っていたのに、間違えて英文科に入ってしまったんです。英文学なんてぜんぜん学びたくなかったから、2年生になるころには、ほとんど大学に行かずにアルバイトばかりしていました。でも3年生のときに「いや、やっぱり本気で学ぼう」って思い立って、そこから急に勉強を始めたんです。
磯貝:スイッチが入ったんですね。
堀田:それからは英文科の授業だけでなく、他学科の天文学、音楽、哲学など、単位にはならないけど興味がある講義にも片っ端からモグりました。大学では、その分野の第一線にいる先生が教えていたりしますよね。そこでようやく「大学ってすごい場所なんだ」と思えたし、難しい学問を勉強することが好きになっていきました。それに、新たに知ったことが思いもよらないところで生きたりすると、さらに楽しくなる。磯貝さんがおっしゃるように、勉強には、最初はよくわからなくても「わからないなりに触れているうちにわかってくる喜び」がありますよね。
難しい本を「眺めるだけ」の学習効果
磯貝:私の場合、専門分野を学ぶときは、カフェや電車で人に見えるように難解そうな専門書を開いて、「それを読んでる自分」を演出して勉強が楽しくなるというのもありました。
堀田:それ、わかります(笑)。僕にも「英字新聞を読んでる自分が好き」という時期がありましたよ。本当はほとんど読めてなかったんだけど、それでも紙面を眺めているうちに、いろいろと学んでいくんですよね。脳には、未知なる情報と既知の情報のギャップを埋めようとする働きがあるから、わからなくても何度も触れているうちに理解し、記憶するんです。勉強でも、重要そうな内容を何となく目に触れさせるだけで、脳の中には「見たことがある」という痕跡が残り、次に目にしたときに処理しやすくなる。
磯貝:今にして思えば、難解な専門書をポーズで開いていたのも無意味ではなかったんだな、と。
堀田:『没頭勉強術』を読んで、磯貝さんは科学的に効果ありと裏付けられた勉強法を、経験としてやっておられるのがすごいと思いました。「勉強できる人」って、こういう人のことなんでしょうね。本で紹介されている勉強法の半分以上は、自分で編み出したものですよね。それがしっかり理に適っている。


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