文系から理系まで16学部50学科を擁する関西最大の総合大学、近畿大学ではどう捉えているのか。大学運営本部企画室 課長補佐の有津乃理子氏はこう話す。
「必ずしも年内入試の学生の学力が低いとは言えません。入試形態よりも個人差が大きいと考えていて、学校推薦型入試など面接試験がメインとなる入試にも学力が高い学生はいます。ただ、近年は入試が長期化しており、総合型選抜など早期に合格が決まると学習習慣がなくなってしまうのではないかという課題を感じています」
そこで近畿大学では高校の学習範囲の基礎知識をしっかり身に付け、大学での学びにスムーズに入れるよう、2008年頃から一部の学部で入学前教育としてe-Learningシステムを導入している。
対象は、主に学校推薦型選抜や附属特別推薦など専願制の入試で入学した生徒だ(学部によってはその他の入試制度の学生も対象)。科目は英語・数学・物理・国語または小論文・生物・化学などがあり、学部ごとに必要な科目を組み合わせて実施する。
「入学前教育では講座を受講して課題を提出することになりますが、提出率は90%と高く、プレテストと比べてアフターテストの点数が毎年、全学部で伸びています」
一般選抜組の基礎学力に課題がないわけではない…
一方、一般選抜組にも、基礎学力に関連する課題はあるという。一般選抜と一口にいっても、高校での履修状況によって選択する入試科目は異なり、学生それぞれのバックグラウンドが異なるからだ。
「一般選抜では受験科目が3科目ですが、入学後は多岐にわたる科目を勉強することになります。例えば、理科にも物理や化学、生物がありますが、高校時代に理科の全科目を履修しているとは限りません。大学の理工学部の一部の学科や薬学部では生物と化学の両方が必要になるため、一般入試で入学しても高校時代に学習してこなかった科目で苦労する学生もいます」
そこで理工学部では1年生や再履修生を対象とした基礎サポ(学習支援室)を開設。理工学部で重要となる基礎科目(数学・物理・化学・生物)の学習を講師が対面でサポートする。高校の学習範囲だけでなく、大学初修レベルまでカバーしている。
各教員も、研究室に在室して質問を受け付けるオフィスアワーを設けているが、基礎サポは利用できる時間帯が長く、相談しやすいこともあり25年度の利用者は延べ1972人にのぼる。
薬学部では、高校で化学や生物が苦手だった新入生や、これらの科目が未履修の新入生を対象とした講座を開講。近畿大学附属高校の教員が化学演習や生物学演習を教えている。25年度の受講者数は化学47人、生物39人となっている。


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