4Lを選択すると自動的に「ブレーキLSDトラクションコントロール」(ブレーキLSD)がスタンバイを開始する。これは左右の車輪どちらかが空転した際に、その車輪にブレーキ制御を加えることで接地している車輪の駆動力を伝える機構で、クロスカントリー4WDやSUVの各モデルにも採用されている。
画像のように対角車輪が大きく浮き上がる①では、シエラと同じサイズの大径タイヤ(195/80R15で直径693mm)を履き、軽自動車のジムニーに対してワイドトレッド化(前1265mm/後1275mm→前1395mm/後1405mm)が図られたこと(シエラとノマドは同数値)との相乗で、大きく連続したコブをすんなり乗り越えていく。ちなみにランプブレークはシエラの27度に対して、ロングホイールベース化されたノマドは23度。
ここではブレーキLSDの効果が絶大で、片側の車輪が空転した状態でアクセル操作を一定にしていると、グググッという制御音とともに空転車輪へのブレーキ制御が介入し、接地している反対側車輪への駆動力が確保され、車速を大きく落とすことなく走りきる。
極悪路では車速を上げすぎず、下げ過ぎない、しずしずとした運転操作が求められるが、ジムニー ノマドではロングホイールベース化と補強されたラダーフレーム、そして3000回転以下での実用的なエンジントルク、さらには4Lの適切なギヤ比がそれらを後押しする。
すり鉢状路や対角スリップ状態での安定感
②では、すべりやすい急な下り坂を走行する。ここでは各車輪のブレーキを制御して、急な下り坂でもある一定の車速を保って下りきる「ヒルディセントコントロール」がサポートする。また、登り坂の途中で停止した際の再発進は「ヒルホールドコントロール」が、ブレーキからアクセルへのペダル踏み替え時に発生しやすい後退を抑制してくれる。
③では、右前輪と左後輪を前述のフリーローラーに乗せ一時停止し、そこから再発進を試みた。くるくるまわるローラーの摩擦係数は氷路面に近い0.1程度を模したもの。ここでもブレーキLSDにより接地している車輪の駆動力でなんなくスタートできた。ポイントは車輪が空転し始めたら、そこからアクセルを踏み込まず、一定のまま保っていること。これにより、素早い再発進が行える。
こうした不整地路面での車内外の様子や、ブレーキLSD作動音は、舗装路面同様に、筆者の動画チャンネル「ジムニーノマド 不整地路面編」をご覧いただきたい。


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