多忙な上長の思考や判断基準を社内ブログから抽出し、相談相手のエージェントに仕立てた例もある。部下は待たずに相談でき、上長の時間も減らせる。AIが業務プロセスそのものを変えた事例だと帯野氏は位置づけた。同社は職種ごとのAI活用度を測る独自指標「PaM」も設け、プロンプトの中身まで定性・定量の両面で確認し、活用しきれていない社員への働きかけにつなげている。
定着を分けるのは配布後の設計
2社に共通するのは、導入の力点を配布後に置いていることだ。テストや研修で入り口の質を確保しつつ、優れた使い方を社内で共有し、利用データの可視化で遅れた部署や社員を拾って次の施策に回す。ツールを配って終わりにせず、このサイクルを回し続けるかどうかが、配布率と利用率の溝を埋められるかを分けている。
基調講演にはNTTデータの西村忠興氏(常務執行役員テクノロジーセグメント長、Chief AI Officer)も登壇し、同社がGemini EnterpriseとGoogle Workspaceの包括契約を結んだことを明らかにした。金融や公共の基幹システムを顧客に提供する立場のIT大手が、自社の働き方にも採用した形だ。
Google自身も基調講演で、Gemini Enterpriseのアプリについて、データを国内で処理する日本国内対応を利用企業を限定する形で始めたと発表した。データを国内に置くことを求められる金融のような規制産業が、導入を見送る理由は着実に減っている。


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