渕野氏は、最先端のAIモデルが常に最適解とは限らないとも指摘した。タスクによって得意不得意があり、コストに応じて複数のモデルを使い分ける設計が要るという。AIによるスキャンは計算資源を大量に消費するため、闇雲に全資産を調べるのではなく、どの資産から調べ、見つかった脆弱性をどの順番で直すかの優先順位付けが前提になる。
セキュリティ担当者の仕事はどこまで代替されるのか。記者にそう問われると、警告への対応やインシデント処理といった反復型の作業こそAIに向いていると回答した。Google SecOpsではAIの導入で対応が30倍速くなり、10人のアナリストが同じ時間で300人分の作業をこなせる計算になるという。それでも人間が排除されることはなく、判断に使える時間が増えるという説明だった。
大企業ほどAI生成コードを懸念している
説明会に登壇したIDC Japanのリサーチマネージャー(Network & Security, Research)の山下頼行氏は、2026年3月に実施した同社の調査から日本企業の受け止めを示した。日本企業が最大の脅威と認識しているのはランサムウェアで、2025年に大きなインシデントが相次いだことが背景にある。
AIに関する懸念で最も大きいのは、外部のAIサービスへの機密情報の入力だった。それに次ぐのがAI生成コードの脆弱性で、AIにコードを書かせる動きが先行する従業員1000人以上の大企業に限ると、23.6%と最大の懸念になる。


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