防御側の実例としてレザン氏が挙げたのは、脆弱性を自動で見つけて直すGoogleのAI「CodeMender」だ。450万行のコードで構成するプロジェクトに適用したところ、72件の脆弱性を発見した。一方で攻撃者も同じ技術を手にしている。人手でパッチを当てる従来のやり方では追いつかない、という問題意識がGoogleの出発点にある。
AI Threat Defenseは5月27日(米国時間)に発表された企業向けのセキュリティ基盤で、推論とコード生成を担うGemini、クラウド上のどのリスクが本当に危ないかを見極めて優先順位を付けるWiz、コードを修復するCodeMender、攻撃者の手口や動向の情報を握るMandiantを組み合わせる。検知や監視はセキュリティ運用サービス「Google SecOps」が受け持ち、AIを使う攻撃者にAIで対抗する構えをとる。
モデルは頭脳、ハーネスは安全装置
技術的な考え方は、グーグル・クラウド・ジャパン執行役員でカスタマーエンジニアリングを統括する渕野大輔氏が説明した。Googleは2023年から「Project Naptime」と呼ぶ取り組みでAIの脆弱性検証への活用を検証してきた。その経験から同社は、AIモデルを頭脳、エージェントを駆動装置、ハーネスを安全装置という3層で整理する。ハーネスはエージェントの動作範囲を制限する仕組みで、渕野氏はこの層こそ重要だと強調した。
守るべき対象は自社で開発したプログラムにとどまらない。渕野氏によると、攻撃は多様化しており、OSやオープンソースソフトウェア、クラウド環境の権限の設定ミスまでもが狙われている。


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