人工池をつくることについて、公社内では安全面への懸念から賛否がわかれたことは前編(団地の中に"巨大な人工池"をつくる…横浜にある築55年の《竹山団地》あまりにフシギすぎる成り立ちに迫った)で触れた。池のまわりでは年季の入った注意喚起の看板もあり、安全面に注意が払われつつ、住民が親しむ場所になっていたようだ。
池が身近な場所になったことで、当初の計画にはなかった変化も起きた。
「お祭りで亀を釣っては、ここに放す人が大勢いて、亀が大増殖しちゃったんです。金魚もお祭りで釣って、『池にバイバイ』と放していたんですよね」
松井さんはそう苦笑する。ほかにも「給食で余ったパン」や「商店街の米穀屋さんでもらえた食パンの耳」などを鯉やカモに与える人もいたそうだ。亀や金魚が放され、餌をやる人も増え、計画時には想定されていなかった生き物が池に定着した。時期によっては、水の汚れやにおいが目立つようになったこともあったという。
池を維持するための「かいぼり」
竹山団地では、池の状態を確認し、維持するために、水を抜いて干す「かいぼり」が行われてきた。松井さんも子どもの頃に参加し、かいぼりとあわせて釣り大会のような催しが開かれた記憶もあるという。
公社は、この「竹山池」と斜面の自然林を所有し、池の状態を見ながら、4〜5年に1度のペースでかいぼりを行っている。公社で竹山団地を担当する運営企画課課長の水上弘二さんも、過去に立ち会った。
「亀はすごい数でしたし、ヘドロもかなりありましたね。水の流れが弱く、循環しないと酸素が減ってしまうため、水槽のように酸素を送る仕掛けを設置しています。池をきれいに保つ方法を探りながら、この秋にもまた、かいぼりを予定しています」(水上さん)
池周辺の手入れや催しは、地域住民が中心となって行われている。団地の活性化や、池を地域資源として生かすことを目的に活動するグループもあり、竹山池は地域の身近な場所として住民に親しまれている。
池を見ていると、カルガモが水面を進み、木の枝にはカワセミがとまっている。人の手でつくられ、維持されてきた池を囲む風景には、さまざまな生き物の姿があった。


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