「ほかの住棟とは全然違う作りなので、遊びに行くときワクワクしました。『池の見えるおうちはいいな』と思って、ちょっと羨ましかったです」
そんな住戸の内部は、どのようになっているのか。今回、竹山団地を開発した神奈川県住宅供給公社(以下、公社)の案内のもと、空き住戸に足を踏み入れた。
住棟の小さな入り口から階段室へ入ると、そこに現れたのは、螺旋状のコンパクトな空間だった。階段はぐるぐると渦を巻き、上りながら目が回りそうになる。
「引っ越しは大変だったと思います。でも子どもの頃は、この階段室も秘密基地みたいに感じていました」
ベッドなどの大きな家具を運び込むには不便さを感じたが、子ども心に特別な場に映るのも納得だ。
階段を上り住戸の扉を開けた。そこにあったのは、半世紀以上前へタイムスリップしたかのような部屋だった。
水まわりにもゆとりがある部屋
中央には、キッチンを備えた細長い居室がある。板張りの床と白い壁に囲まれ、歴史を感じつつも洗練された空間だ。建物の内側に位置する部屋だが、池側と道路側には窓があり、2方向から自然光が入ることで、想像していたよりも明るかった。
キッチンは一般的な賃貸団地で見かけるものより横幅があり、壁には吊り戸棚が複数並んでいる。


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