「池は管理が大変ですし、子どもが落ちたらどうするんだという安全面の心配もありました。賛成と反対で社内はものすごく割れたそうですが、最終的に池をつくることに決まりました」
池のまわりには柵を設置し、商店街側など、人が歩く場所に面した水際には浅瀬をつくった。さらに水中に網を張るなど、安全面の配慮が施された。一方、対岸には自然斜面を残し、人が立ち入らない区域として生き物の環境を確保した。
ドラマチックな立体空間
池を囲むスーパーや商店などのセンター施設は、竹山団地が竣工した翌年の1972年に完成した。
人工池をL字型の人工地盤が囲み、その上に3棟の建物が載っている。低層部にはスーパーや商店が入り、その上に駐車場、さらに集合住宅が続く。周辺の住宅地や道路とは、橋や階段、スロープで結ばれ、高低差を生かした立体的な空間がつくられた。
「1丁目側からは、池の周囲の通路を歩き、そのまま商店街へと入っていきます。4丁目側から歩いてくると、緩やかに坂を下りながら、建物の2階に入ります。階を移動した感覚のないままゆるやかに進むと、商店街にたどりつく。そんな連続性のようなものが意識された場所なのかもしれません」
馬蹄型の階段まわりは、ひときわフシギな空間だった。螺旋状の階段やスロープが組み合わさり、内側に入り込んだり外へ抜けたり、どこへつながるかわからない迷路のような面白さがあった。大人でも気分が高揚する。
松井さんは子どもの頃、買い物や小学校の行き帰りでセンター地区を通っていた。橋や階段、スロープなどが入り組んだ空間は、格好の遊び場でもあった。
「鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、すごくよい遊び場でした。スーパーの前の階段では、ヨーヨーが流行っていた頃だったかヨーヨーチャンピオンが来て、実演をしてくれたこともありました。階段のオブジェに腰掛けて見上げて。本当に楽しかったです」


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