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ライフ #「フシギな物件」のぞいて見てもいいですか?

団地の中に"巨大な人工池"をつくる…横浜にある築55年の《竹山団地》あまりにフシギすぎる成り立ちに迫った

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横浜にある竹山団地(写真:筆者撮影)
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計画にあたって悩ましかったのが、その地形だ。竹山団地は丘陵地にあり、センター地区の予定地とされた団地の中央部には、窪地(くぼち)が広がっていた。

「窪地のジメジメしたあたりが、団地の中心になってしまう。平地につくるのとは違い、この地形をどう生かせばうまくいくのかという観点もあり、緒形さんに相談に行ったと聞いています」

谷を埋めて平らにした場所であれば、通常の団地計画の延長で対応できたかもしれない。しかし公社では、団地開発の基本として、「もともとの地形を生かす」ことを大切に考えていた。

階段を下った先に広がる池。センター地区が谷にあることがわかる(写真:筆者撮影)

「環境という面もありますし、盛土や切土をなるべくなくすほうが造成上もいいですし、管理や費用の面でも合理的です。もともとあるものを生かしながら、環境面でも管理面でもよい形にしましょう、ということが、当時のセオリーの1つとなっていました」

団地の中に「人工池」をつくる

この場所は、周囲の丘陵地から水が集まる谷状の低地だった。そこで計画では、雨水の調整機能を兼ねた人工池を配置する案が採用された。

池の周囲には商業施設や集合住宅、歩行者の通路を配置した。さらに、池のある風景を団地の魅力として生かし、住民が集まる中心にしようと考えられた。

センター地区全体と人工池の設計は、緒形昭義さんが率いる群建築研究所に委託された。計画されたのは、高低差のある地形を残しながら、複数の用途を立体的に組み合わせる空間だった。

池を中心に、商店や銀行、郵便局などの施設や集合住宅、散策路が配置され、上層と下層は階段やスロープで結ばれた。

池の設計では、生き物が暮らせる環境をつくることも重視された。資料によると、当時、横浜国立大学の生態学者・宮脇昭さん(1928-2021)や、多摩動物公園の昆虫研究者・矢島稔さん(1930-2022)にも意見を求めたとある。

商店街とは反対側の岸には、自然の法面を生かした森が広がる。カルガモやカワセミの姿が見られた(写真:筆者撮影)

水深の異なる場所に暮らす動植物が棲み分けられるよう、水の流速や流量、水温、水質などにも配慮された。トンボなどの生き物が生息できる環境と、住民が池に親しめる空間の両立が目指された。

一方、団地の中央に大きな人工池をつくることについては、公社内でも賛否がわかれた。

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