得られたのは資金だけではなかった。
キハ205引退時に感じた「沿線外にもファンがいる」という実感は、クラウドファンディングによって裏付けられた。支援額の大きさはもちろん、全国から寄せられた応援の声は、水島臨海鉄道にとって新たな原動力となった。
キハ205の復活については、営業運転であれば必要な検査費用が1億円を超える見込みとなったため、イベント時に構内で走行できる状態を目指し、エンジン整備や座席モケットの更新、スプリング交換などを行った。
また、塗装変更の対象であるキハ38については、JR八高線導入時の塗装を再現することになった。しかし、当時の塗装色を示す資料が見つからず、関係者への聞き取りや資料調査を重ねた。完全な再現は不可能かとも思われたが、最終的には車両設計に携わった関係者から設計図面を入手し、塗装色の特定につなげたという。
SNSが変えた社員の意識
同じ2021年、水島臨海鉄道はX(旧Twitter)の運用も開始した。
現在のフォロワー数は約4万人におよぶ。
運営は10代から40代までの社員9人が担当し、日替わりで投稿を行う。内容はイベントや企画の告知だけではなく、現場の日常や季節の話題、「おはようございます」といった何気ない投稿も含まれる。
SNSは1つの投稿でも時に炎上する危険性をはらんでいる。そのため投稿内容は事前確認を行い、承認されたうえで投稿される。

