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イオンモール熊本爆発「命より金を優先した」「施設側は死者ゼロだったのに」イオンとテナントで明暗分けた危機管理の本質

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イオンモール熊本
爆発事故のあった「イオンモール熊本」で、懸命に捜索活動を続けていた消防隊員たち(画像:総務省消防庁の公式X @FDMA_JAPANより)
  • 西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
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イオンの会見では、社長自らが作業服姿で会見に臨んだことも「誠実に事態の対応にあたっている」ということを印象づけた。

一方、従業員が亡くなったテナント企業側は、情報公開が遅れたり、説明が限定的だったりしたため、「事態を矮小化している」「責任逃れをしている」と受け取られてしまい、批判を浴びてしまった。

危機時には、情報を出さないこと自体がメッセージになる。沈黙によって疑念が拡大すれば、企業への信頼をさらに失ってしまうことになる。今回は、デマが拡散し、無関係のテナント企業が批判を受けるといったことも起きている。デマや不当な誹謗中傷を防ぐためにも、公式的な情報発信は必要不可欠なものなのだ。

地震から6日後の8月3日、女性従業員2人が爆発に巻き込まれ死亡した店の運営会社「ハビタ」の湯瀬剛二営業部長(右端)が記者会見を開いた。地震後に施設内に戻って売上金を金庫に移すよう指示したと明かした(写真:時事)

ただし、迅速さだけを追求すればよいわけではない。不確かな情報を断定すれば、後に訂正が必要となり、さらに信頼を損なってしまう。求められるのは、「確認できた事実」「確認中の事項」「今後の対応」を分けて、継続的に説明する姿勢である。危機管理広報は、謝罪文を一度発表して終わる作業ではない。事態が収束するまで更新を続ける必要がある。

「最悪に備える」ことは「悲観すること」ではない

古代ローマの哲学者セネカの言葉として、「最善を願いながら、最悪に備える」という考え方が知られている。

最悪の事態を想定したうえで、過度に悲観的になることなく、平時には冷静に事業を続け、有事にはためらわず行動を切り替えることが重要だ。

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