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イオンモール熊本爆発「命より金を優先した」「施設側は死者ゼロだったのに」イオンとテナントで明暗分けた危機管理の本質

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イオンモール熊本
爆発事故のあった「イオンモール熊本」で、懸命に捜索活動を続けていた消防隊員たち(画像:総務省消防庁の公式X @FDMA_JAPANより)
  • 西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
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モール全体の危機管理は、避難マニュアルを施設内に掲示するだけでは不十分である。非常時には施設管理者の避難命令をすべてのテナントが最優先すること、店舗責任者であっても独自判断で従業員を館内へ戻してはならないこと、売上金や商品を放置しても従業員の責任を問わないことまで明文化する必要がある。

さらに重要なのは、それを実際の意思決定と行動に結びつけることである。災害発生時のメッセージを統一させる、あるいは一元化することができていれば、人命を失う悲劇は避けられたのではないかと思う。

地震発生後、24時間以内に記者会見を開いたイオン

危機管理には、もう1つ重要な原則がある。「問題そのものへの対処と、社会への説明を同時並行で進める」ということだ。

事故直後は救助、避難、安否確認、2次被害の防止が最優先となる。しかし同時に、企業は何が起きたのか、現時点で何がわかっているのか、何がまだわかっていないのかを示す必要がある。

イオン側は事故発生から24時間以内に記者会見を開いた。この対応について、「こんなに大変な状況のときに会見をする必要はあるのか?」「会見を求めるのは酷ではないか」といった意見もネット上では散見された。

地震発生翌日の7月29日夕方、記者会見を開いたイオン。会見冒頭、(左から)大野恵司イオンモール社長、吉田昭夫イオン社長、四方基之イオン副社長が頭を下げた(写真:時事)

しかし、原因究明が完了していない段階でも、企業のトップが前に出て、その時点で確認できた事実を説明し、事態に向き合う姿勢を示した意義は大きい。危機発生時の記者会見は、すべての事実を明らかにし、答えを完璧に用意してから開く必要はない。確定していないことを「確定していない」、対応が完了していないことを「現在対応中」と説明することも、重要な説明責任だ。

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