さて、東芝やベインの大量売却に買い向かった主体はどこかと言うと、海外機関投資家(特にアメリカ系・欧州系のロング(買い持ち)オンリー勢)や国内外の年金・資産運用会社であり、企業では韓国のメモリー大手、SKハイニックスであることが複数の報道から確認できる。
「捨て値」まで下がったキオクシアHDだが、長期ファンドの評価は不変
つまり今後のキオクシアHD(実質的AI相場)は、彼らの考え方次第ということになる。そんな中で同社株は大きく下がった。
「半値8掛け2割引」とは株価が大きく下がる時の最終着地点を現す言葉で、昔から商人が手持ちの不良在庫を処分する時のいわゆる「捨て値」であり、有名な映画「男はつらいよ」の主人公、露天商である寅さんの「口上」を借りれば、「もってけドロボー」の値段だ。
キオクシアHDの「半値8掛け2割引」は、11万2700円(高値)×0.5×0.8×0.8と計算して約3万6064円となり、先週7月30日の安値3万6020円とほぼピタリ一致する。これは極めて珍しいことで、マーケットの主力株が短期間にこれだけ下げた事例は、私の兜町56年の記憶の中でも思い浮かばない。
そうなった原因は、①SKハイニックス(実質第2位の株主)の決算が、市場予想を下回り韓国市場で急落し、②熊本地震で半導体の供給網にリスクが発生し、③アメリカのハイテク株急落や、④外資系証券による目標株価引き下げ観測が、同時に起きたことで「売りが売りを呼ぶ」需給崩壊が起こったためだ。
ただ、個人や短期筋ファンドの強制ロスカットも出ていたと思うが、ロングオンリーのファンド筋で強制ロスカット制を採用しているところはほとんどない。
ではロングオンリーのファンド筋はどう考えているのか。彼らの考えは、
ということで、キオクシアHDの企業価値は中長期で回復すると見ている。つまり、相場は終わっていないということだ。

