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「まさかあのイオンが……」
ショッピングセンター(SC)に携わるデベロッパーやプロパティマネジメントの関係者の間で、悲鳴にも似た声が上がった。日本を代表する巨大モールで起きた悲劇は、それだけ衝撃的なことだった。
2026年7月28日、最大震度7を観測した熊本地震の発生直後、「イオンモール熊本」で起きた大規模な爆発事故。31日までに従業員7人の死亡が確認された。
「防災モール」のパイオニアだったイオン
イオンモール熊本は、災害時に駐車場を避難場所にしたり、物資を供給したりする「防災拠点」として嘉島町と協定を結んでいた施設だ。この事故がなければ、地域住民が避難先として頼りにするはずだった。イオンは141の自治体と協定を締結しているという(2024年2月末時点)。
強固であるはずのSCの安全神話はなぜ崩れたのか。そして、客を無事に逃がしたはずの従業員は、なぜ危険な館内へと足を踏み入れてしまったのか。
東京都内でSC開発に携わり、日々施設の安全管理やテナント運営に向き合っているデベロッパー社員である筆者が、今回の「複合災害」が浮き彫りにした商業施設防災の“死角”について述べたい。
今回の事故について、冒頭で述べたとおり、筆者の周りの業界関係者は皆、心を痛め、非常にショックを受けている。11年の東日本大震災以降、被災地のSCは建物が頑丈であることや物資が豊富にあることから、防災拠点としての有効性が言われるようになった。

