たしかな商品企画に期待通りの走りの楽しさもあり、上々の滑り出しを見せたシビック e:HEV RSだが、それだけに改めて、RSじゃないほうのシビックも、まさに“じゃない方”なんて呼ばれないよう大事に進化させてほしいという思いも頭をもたげてきた。
e:HEV RSの痛快な走りも良かったが、今回比較のために乗ったe:HEV LXの、そこまでドライバーを鼓舞しないながらも十分な動力性能、しなやかな乗り味が描き出す“スポーツ”を狙いすぎない適度な“スポーティさ”にも、また違った魅力が感じられたからである。
スポーツカー化に対する一抹の不安
じつは試乗の際に示されたコンセプトシートには「シビックはお客様に驚きを届けるホンダを代表するスポーツカー」という記述があった。しかしながら個人的にシビックは、運動もできるが汗臭さとは無縁で、例えばテニスなどを嗜み、それでいて勉強もできてルックスも爽やかという、ベタな喩えで言えばかつての慶応ボーイ的なクルマだと思っている。RS偏重、スポーツアピールがあまり過ぎると、こうした稀有なキャラクターが失われてしまうのではと危惧してしまうのだ。
e:HEV RS、そしてRSの強い訴求力が、ひいてはシビックというブランドを際立たせることに繋がる。理想はそんなかたちではないかと思う。


※ログイン後、コメント入力が可能です。