無人島にひっそり佇む砲台跡や地下空間が、アニメ作品『天空の城ラピュタ』の世界観にそっくりだと、評判が広がった。
2012年度に2万1000人だった来島者は、5年後の2017年度には8万7640人と文字通りのV字回復を果たしている。
2020年度、コロナ禍では過去最低の3万7027人に落ち込んだものの、少しずつ客足は戻った。
さらに2022年には、友ヶ島をモデルにしたSF漫画のアニメ作品『サマータイムレンダ』が放送され、追い風になった。他にもスマホゲームの舞台になるなど、アニメファンやサブカルチャー層を惹きつける「聖地」としての文脈で再評価され、SNSでは定期的に“映えスポット”として話題になっている。
2025年度の年間来島者数は4万6069人と、2021年から4万〜5万人の間で推移している。
惹かれたのは、友ヶ島の包容力
フェリー乗り場がある野奈浦桟橋を9時半に出発し、足を引きずりながら15時に無事帰還。小雨のなか長靴で5時間半歩き続けた友ヶ島探索が終わった。
友ヶ島管理事務所の前に、愛らしいタイワンリスたちが群がって遊んでいるのが見えた。
「あの子たち、新鮮な松ぼっくりばかり食べて、まるまるしているんですよ」
「昨年の大阪・関西万博のときにはお客さんがそっちに流れて、特に閉幕した10月は島に来る人はいつもよりも減っちゃいましたね」
「先週、海岸沿いを掃除したんですよ。でもほら、台風のせいでまたゴミが打ち寄せられて。きれいな海岸沿いを見ていただけたらよかったのに。しょうがないですね」
事務所スタッフであろう女性が、気さくに話してくれた。「砲台どうでした?」と島の感想を尋ねるでもなく、押しつけがましさのないカラッとした心地よい距離感。この気負わなさこそが、今の友ヶ島の空気感を象徴している気がした。

