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廃墟だらけの「ラピュタの島」はかつて年間10万人が訪れた《リゾート地》だった…なぜ衰退し、再び人気になったのか

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友ヶ島
「ラピュタの島」で知られる軍事機密島は、実はかつてリゾート地だった時代がある(写真:筆者撮影)
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帰りのフェリーの船内に「和歌山コスプレ開放市」というポスターが貼られているのに気づいた。民間団体「マジックアワーカフェ」主導の取り組みで、友ヶ島では2020年11月からスタートしている。管理する和歌山市側も公式に撮影マナーやルールを周知するなど寛容な姿勢を見せており、アニメファンだけでなくコスプレイヤーが集う島としても定着しつつあるようだ。関西国際空港が近いこともあり、今後はアニメ文化に関心を持つインバウンド客もさらに増えていくだろう。

フェリーに貼られていた「和歌山コスプレ開放市」のポスター(写真:筆者撮影)

島を訪れる人の目的がそれぞれ異なる印象

明治の軍事要塞、昭和のリゾート計画、平成の廃墟化、そして令和のアニメ聖地化――。友ヶ島は時代の変化とともにその顔を変えてきたが、現地を歩いて筆者が最も強く実感したのは、この島には「決められたテーマやコンセプトの押しつけがない」ということかもしれない。

朝一番のフェリーで出会った人たちを思い出してみる。ガチの海釣りを楽しむ地元男性、修験道の歴史を訪ねてきたという男性、SNSを見て車で2時間かけてやってきた20代男性2人組。全員の目的がまったく異なっていたのが印象的だった。

筆者はというと、SNSで話題になっているラピュタのような世界観を体感できたのも作品の一ファンとして嬉しかったが、明治から令和にかけてその時代の空気感を、廃墟を通して人の営みを確かに感じられたことが何よりとてもよかった。

どの廃墟も時代の終わりの象徴であり、それを緑が包み込んでいく様は、自然が「おつかれさま」とその時代を生きた人たちをも労わっているように思えたからだ。

こうして取材を終えて記事を書いているうちに、一報が飛び込んできた。

2026年7月22日、友ヶ島も舞台のひとつの人気漫画&アニメ『サマータイムレンダ』が、実写映画化され、2027年公開決定と、公式Xで発表されたのだ。

(画像:「サマータイムレンダ公式」Xより)

撮影がこの島で行われるかはまだわからないが、映画化を機に友ヶ島の存在を知り、新たに足を運ぶ人は間違いなく増えるにちがいない。

訪れる人の目的次第で、多彩な表情を見せてくれる不思議な島。次に足を運んだときにはどんな友ヶ島に出会えるのだろうか、楽しみだ。

雨の友ヶ島は幻想的だった。次は晴れの日に訪れたい(写真:筆者撮影)
【参考資料・出典】
・読売新聞 2000.09.28 大阪朝刊(和歌山の「友ヶ島」観光から南海電鉄が撤退 リストラで2001年3月限り)
・和歌山県中小企業団体中央会「企業連携・設備投資事例集」(友ヶ島汽船株式会社 会社概要)
最初から読む→→→前編:「まるでラピュタ」な緑に侵食される廃墟…かつて《地図から消され》《立入禁止》だった軍事機密島の謎

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