「アリーナ」を巡り、全国各地でさまざまな議論が続いている。岡山市では、市が計画する「岡山アリーナ(岡山市多目的屋内施設)」建設の是非を問う住民投票を求める署名が必要数を超え、7月27日と28日に開かれる市議会臨時議会で条例案の採決が行われる見通しとなった。
反対派の懸念はアリーナの採算性だ。瀬戸内海を挟んだ隣県である香川県の「あなぶきアリーナ香川」が稼働率94%であるにもかかわらず赤字とされ、岡山でも高い採算性は見込めず、無駄な公共事業になると批判する。一方、市の側は十分な採算を見込めること、民間運営のため市民に負担が生じないことを説明し、理解を求めている。
各地でアリーナが乱立すれば、ドル箱となるような興行の奪い合いになることは間違いない。しかし、だからこそ自治体は民間の力を借りながら最大限の採算性と公共性を両立させ、都市の魅力向上につなげる意義を強調する。岡山や香川、さらに沖縄の例を検討しながら、「稼げるアリーナ」のあり方を整理したい。
2万人余りの署名受け、市議会で条例案を採決へ
「岡山アリーナの建設費は280億円といわれているが、物価高でさらに何億かかるか分からない。隣県のあなぶきアリーナは稼働率90%以上でありながら赤字になっているという。そうした事実を積み重ねていったときに、岡山市の計画はどう考えてもおかしい。住民投票になるかどうかは分からないが、行政は市民にちゃんと情報を提供して、市民に判断をさせてほしい」
7月12日、岡山市内で開かれた「岡山新アリーナ建設の賛否を問う住民投票を実現させる会」の決起集会で、参加者の市民はこんな意見を表明した。
今年1月に立ち上がった会は、人口約70万人の岡山市で法律に基づき住民投票を求める署名活動を3月下旬からスタート。5月下旬までの2カ月間で、必要な法定署名数の約1.8倍にあたる2万2000人余りの署名を集めた。市選挙管理委員会による確認を経て6月末までに2万1009人分が有効署名と認められ、請求代表者が大森雅夫市長に住民投票条例の制定を直接請求。これを受理した大森市長は、7月27日、28日に開かれる臨時市議会で条例案を提出する運びとなった。
決起集会には署名活動に携わった市民ら111人が出席し、これまでの経緯を確認しながら、臨時議会に向けて気勢を上げた。会長で元市議会議長の浦上雅彦氏は「住民投票運動そのものが岡山で初めて。この街の大切なことは我々市民が決める、おかしいものはおかしいと言える市民が動いてくれ、すでにもう大きな意義がある。この調子で『簡単に否決なんかさせねえぞ』という秋波を議会に送りましょう」と参加者を鼓舞した。
市長選の民意は「アリーナ計画の白紙撤回」か
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