「アリーナ」を巡って各地でさまざまな動きがある中、岡山市では「岡山アリーナ(岡山市多目的屋内施設)」整備の賛否を問う住民投票を求める条例案が市議会臨時会に提出されたが、7月28日に反対多数で否決された。しかし昨年、実際に住民投票が行われた愛知県豊橋市の例のように、アリーナ建設について地域を二分する議論は今後も繰り返されるだろう。
行政コストとして捉えられていた従来の公共の体育館から、利益を生み出す「稼げるアリーナ」へ。この10年、国はこうした掛け声で官民一体のアリーナ建設を後押ししてきた。だが、各地域で問題になるのは人口減少社会の中で本当に採算を確保できるのかという収益性と、福祉や子育てなどの政策と並ぶような公益性があるかどうかだ。
そこで筆者は、現在運営されている全国各地のアリーナの中から、決算や事業報告がある程度公開されている10施設を選び、その収益性と公益性を分析。専門家の意見を仰ぎながら図表にまとめた。そこで浮かび上がったのはアリーナの多様性であり、評価の難しさだったが、各地域でアリーナのあり方を考えるきっかけとして、少しでも参考にしていただきたい。
民設民営から公設民営まで10施設を比較

10施設は開業年月順に横浜市の「横浜アリーナ」(1989年4月開業、メインアリーナの最大席数約1万7000席)、さいたま市の「GMOアリーナさいたま」(2000年9月開業、同約3万7000席)、沖縄市の「沖縄サントリーアリーナ」(2021年4月開業、同約1万席)、東京都の「有明アリーナ」(2022年8月開業、同約1万5000席)、群馬県太田市の「OPEN HOUSE ARENA OTA」(2023年4月開業、同約5000席)、佐賀市の「SAGAアリーナ」(2023年5月開業、同約8400席)、千葉県船橋市の「LaLa arena TOKYO-BAY」(2024年5月開業、同約1万1000席)、高松市の「あなぶきアリーナ香川」(2025年12月開業、同約1万席)、神戸市の「GLION ARENA KOBE」(2025年4月開業、同約1万席)、名古屋市の「IGアリーナ」(2025年7月開業、同約1万7000席)。
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