地方創生をバージョンアップさせるためには、企業も地域の未来をともにつくるパートナーになり、よりわかりやすい形で地域に投資し、かつ企業にも投資としての利益を得られるような形で信頼関係を構築して進めていくことが重要だ。
地域への投資とは建物などハコモノへの投資ではない。未来の技術者や研究者、地域を担う人材を育成していくことへの投資だ。
自治体と企業、教育機関、そして住民がそれぞれの強みを持ち寄り、一つの未来を共同で経営していく方向へ転換させる。これこそ、地方創生のバージョンアップではないだろうか。
人材を育てていくという視点
台湾の半導体産業が世界を支えるまでに成長した背景には、最先端の工場だけではなく、それを支える技術者とその精神、それを育成する教育への長年の投資があった。地方創生もまた、建物や設備ではなく、人材という資産を育てることから始まるのではないだろうか。
冒頭で紹介したイベントは、台湾の半導体を紹介するイベントだった。しかし、来場者たちが本当に持ち帰ったものは、半導体そのものではなく「競争を避け、自らの役割を磨き、人を育てる」という地域作りの思想だったと思う。それこそ、日本の地方再生を次の段階へ進めるヒントとなる。今回のイベントはそういうヒントを与えられたと思う。

