まず、前提を整理しましょう。かつてのセンター試験は、平均点がだいたい60点前後になるように設計されていました。
教科書レベルの知識を、素直に暗記して、素直に解けば、それなりの点が取れる。ある意味、非常に「基礎学力測定装置」として機能していたわけです。
「平均点60点の試験」から「平均点50点を目指す試験」へ
ところが、共通テストは違います。文部科学省・大学入試センターは、共通テストの平均点について50点程度を想定して問題を作成していると公表しています。
実際、2026年度の実施結果を見ても、多くの科目で平均点が50点前後に着地しています。
たった10点の差、と思われるかもしれません。でも、これは受験生の体感としては、けっこう決定的な違いです。
「暗記すれば6割は取れる試験」と「読解と情報処理を積まないと5割を切る試験」は、勉強のやり方そのものが変わってきます。
センター試験の英語なら、単語と文法を仕上げて長文を読めば、時間に余裕を持ってマークを塗れました。
ところが共通テストの英語は、リスニングの配点が大幅に増え、リーディングも大量の英文を短時間でさばく形式に変わっている。
「見直しの時間なんて残らない」という受験生の声も、実際によく聞くようになりました。
つまり、共通テストは基礎学力の比重はそのまま、基礎学力+読解力+情報処理力をまとめて測りにきている試験なんです。
ハードルが一段上がっているのは、事実として認めざるを得ません。「難しくなって辛い」と感じる受験生が増えているのも、感情論ではなく、制度設計の帰結だと言えます。

