定年後、年金だけでは生活できない?
まず、年金受給額の平均を月額から見てみましょう(令和5年度)。厚生年金(基礎年金含む)の場合、男性は約16万7000円、女性は約10万7000円。国民年金のみの人は男女とも5万6000~6万円程度です。
さらに厳しい現実ですが、年金額は今後、実質的に目減りすると考えられます。背景にあるのが、2004年の制度改正で導入された「マクロ経済スライド」という仕組み。これは現役世代の減少や寿命の延びに合わせて、年金の伸びを物価や賃金の上昇よりも低く抑える、いわば調整弁のようなもの。過去には物価が下がっても年金額を据え置いたツケを後から減額して調整した歴史もあり、受給額は今後も減少傾向にあると考えられます。
追い打ちをかけるのが、近年の物価上昇です。2023年以降の消費者物価指数(生鮮食品を含む「総合指数」の場合)は前年比3%前後で上昇し、2025年は食料品に限っていえば、前年比で6.7%のアップ。年金額も改定で増える場合もありますが、物価高とマクロ経済スライドの影響で、お金の価値や購買力は目減りし続けています。

