次に鳥の目です。鳥は高い空から地上を見ています。全体を見ることができます。私は鳥の目を、「俯瞰して見る目」だと考えています。目の前の問題に向き合っていると、人はどうしてもその枠の中だけで考えてしまいます。ところが、少し離れてみると見え方が変わることがあります。
以前、こんな話をしたことがあります。北欧を視察した時、参加者50人ほどで集合写真を撮りました。日本に帰り、人にその写真を見せて「ここに、私もいます」と言うのです。すると、皆さん一生懸命に私を探します。
どこにいるのだろう。この人だろうか。いや違うだろうか。しかし、いくら探しても見つかりません。答えは簡単です。私は、その写真の「撮影係」としてその場にいたのです。つまり、探す側は「ここにいる=写真に写っている」という前提で探していたから見つからなかったのです。
見方を変えると答えはすぐに見つかります。私たちは知らないうちに前提をつくっています。そして、その前提の中だけで答えを探しています。だからこそ、時々鳥のように高いところへ飛んで、自分がどんな前提で考えているのか、そもそもの前提自体を見直すことが大切なのです。
違う答えが出せるのは「見ている場所が違うから」
そして3つ目が魚の目です。私は、この魚の目が特に大切だと思っています。魚は、水の流れの中を泳いでいます。つまり、魚の目とは、「流れを見る目」です。
ここでいう流れとは、流行のことだけではありません。もっと大切なのは、人の感情の流れです。人は何に関心を持っているのか。何に不安を感じているのか。何に期待しているのか。どこに心が動いているのか。その流れを見るのです。
ビジネスをしていると、つい商品ばかり見てしまいます。商品の特徴、性能、品質、価格。もちろんどれも大切です。しかし、お客さんは商品そのものに興味を持っているとは限りません。本当に興味を持っているのは、自分の人生、自分の悩み、自分の願いです。
そのため、人の心の流れを見ることができなければ、本当に求められているものは見えてきません。30年ほど前のことになりますが、私がブルーベリーを日本に広めようとした時も、単にブルーベリーを売ろうとしたわけではありませんでした。当時、多くの人はブルーベリーに興味を持っていませんでした。

