2025年初頭に話題になったフジと中居正広さんの事案も、第三者委員会が指摘した通り、編成幹部らの権力関係による風通しの悪さが、事態を悪化させる結果となった。あくまでフジの問題は、氷山の一角に過ぎない。テレビ業界全体でアップデートに取り組む必要があるのだが、それが足りていない部分もあるのだろう。
“古い体質のテレビ業界”に正義はあるか
思えば、福澤氏の出世作となった『半沢直樹』は、権力勾配による不条理が渦巻く銀行を舞台にしていた。銀行出身である池井戸潤氏の原作をもとに、汚職や責任の押し付け合いに立ち向かう主人公。ハラスメントがはびこる古い体質の銀行内で、「倍返し」する痛快さがウケた。
その福澤・堺コンビで制作されたVIVANT。筆者もシーズン1は毎週欠かさず見ていたが、全編を通して感じたのは「正義とは何か」だった。別班である乃木にも、刑事である野崎守(阿部さん)にも、ノゴーン・ベキ(役所広司さん)やノコル(二宮さん)といったテロ組織「テント」の面々にも、それぞれの正義がある。
しかし、それを貫くためには、利害が対立する他者との衝突は避けられない。だからこそ、非情な手段を用いてでも、自らの正義を守ろうとする――。そう考えたとき、果たして“古い体質のテレビ業界”には、どこまでの正義があるのだろうか。

