コロナ禍が後押しした低山ブーム
登山は、もはやブームの域を超えて、自然に親しむライフスタイルの一環となり、老若男女を問わずに広く浸透した感がある。
その楽しみ方もさまざまで、ハイキング、ピークハント、縦走登山、沢登り、アルパインクライミング、フリークライミング、雪山登山、バックカントリースキー、トレイルランニングなど多岐にわたっている。
そんななかで近年人気となっているのが「低山」、つまり誰でもハイキング気分で手軽に楽しめる標高の低い山、である。
住んでいるエリアにもよるが、たとえば札幌でいえば藻岩山や三角山、東京なら高尾山、大阪でいえば金剛山や生駒山、神戸でいえば六甲山、福岡なら油山、といった身近な低山が、おそらく全国各地にあるはずだ。
低山が注目されるようになったのは、中高年の登山ブームが始まった1990年代初めごろからで、2008年ごろに山ガールブームが到来すると、中高年に交じって若者たちの姿も低山で目につくようになってきた。
それが「ブーム」と呼ばれるほどに人気が高まったのは、2020年初頭から始まったコロナ禍の影響が大きかった。
あのとき、新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府や自治体は国民に「都道府県をまたいだ移動の自粛」を呼び掛け、「三密(密閉・密集・密接)を避ける行動」を奨励した。
これにより、遠方の山に行けなくなった登山者が代わりにターゲットとしたのが、身近にある近隣の低山だった。


