ところが、2010年代に入ると、インターネットの大衆化現象が起きて、普通の若者たちがどんどん入ってきた。アニメや漫画を好むのは、オタクばかりではなく、ごく普通の人になっていくわけです。そして今や、「アニメ好き」と聞いてオタクだと思う人はいないでしょう。
10年頃には有名な映画になぞらえ、「モヒカン族」という言葉も一部で流行しました。それまでインターネットはオタクにとって隠れ家のような楽しい遊び場だったのに、リア充がどんどん押し寄せてきて、「我々は『ラスト・オブ・モヒカン』として逃げ延びつつある」と言うオタクの人たちがいたのです。
00年代半ばには、インターネットが一般化すると同時に、高齢者の流入もありました。07年に団塊世代の大量退職があり、それ以降、11年の震災、12年の第2次安倍政権成立などを経て、ものすごい勢いでTwitter(現在のX)が政治化していきます。僕の個人的な観測範囲ですが、団塊世代の政治好きのおじいさんがたくさん入ってきたわけです。
今のインターネットは、オタク文化の末裔とそれが大衆化したリア充の若者たち、さらに高齢者、政治系の人たちなど、いろんな人たちが渦巻くように混ざり合っている。その文化のぶつかり合いが面白いとも言えますし、日本では、それだけリアルとネットが近づいているとも言えるかもしれません。
AIも裾野が広がっていく
この、利用者がある特定の人たちだけだったものが、次第に多くの人に使われていくようになるという流れは、AIでも見られるはずです。特に、操作の面で、AIは今後、劇的に使いやすくなると思います。
パソコンは、普及した当初は難しく、勉強しなければ使いこなせないものでした。ところが、今はスマホもマニュアルなしに使えるものになっています。そして、「スマホの次」としてAI専用デバイスが構想されています。

