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〈書評〉『不安の世代 スマホ・SNSが子どもと若者の心を蝕む理由』『松本清張の昭和』『集団浅慮』

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ブックレビュー『今週の3本』

[Book Review 今週のラインナップ]

・『不安の世代 スマホ・SNSが子どもと若者の心を蝕む理由』

・『松本清張の昭和』

・『集団浅慮 「優秀だった男たち」はなぜ道を誤るのか?』

『不安の世代 スマホ・SNSが子どもと若者の心を蝕む理由』ジョナサン・ハイト 著、西川由紀子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

オンライン化する社会関係 先進国の「子ども時代」が激変

若者の精神状態の急激な悪化を、著名な政治心理学者が分析した。アメリカでは2010年前後を境に、10代のうつ、自傷行為、自殺未遂が急増し、その傾向はとくに女子で目立つという。いったい何が起こったのか。

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

本書の回答は、「子ども時代」の環境激変にある。「遊び中心の子ども時代」から「スマホ中心の子ども時代」への大転換だ。かつて子どもは、放課後の自由な遊びや年齢をまたぐ集団の中で、社会性を身につけた。小さな危険や衝突を経験し、対人関係を学んだ。

しかし、10年代前半にスマホとSNSが普及し環境が一変する。子どもたちの社会関係は、現実の遊び空間からオンライン空間へ置き換えられた。さらに、アメリカでは1990年代後半から、親の監督なしの遊びは育児放棄と見なされ、子どもが自律的に遊ぶ機会が縮小していた。意図せずしてオンライン空間への移行が助長された。

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