芸能事務所でもコンプライアンス研修が行われるようになり、なかでもハラスメント防止は最重要項目。かつてのような絶対的な上下関係が通用しなくなった先輩は、ハラスメントを訴えられて仕事を失わないために「後輩に気をつかう」「後輩と一定の距離を空ける」ことが増えていました。
一方、後輩はかつてのような抑圧感や窮屈さが薄れ、自分たちに気をつかう先輩を軽く見るような言動が目立ちはじめています。
特に芸人で言えば「仕事が減っている」「不祥事があった」「出演番組や舞台の数が少ない」「YouTubeの登録者数が伸びない」などの先輩はなめられてしまい、「嫌い」と言われたり、暴言を吐かれたり、かつての言動を告発されるケースが散見されます。
「SNSならギリギリセーフ」の勘違い
業界を問わず先輩は「後輩からハラスメントを訴えられたらおしまい」という怖さを感じ、後輩は「いざとなれば先輩をハラスメントで訴えられる」というおごりを見せやすくなるなど、両者の優位性が逆転。
例えば、昼食や飲みを先輩からは誘いづらく、後輩から誘われたとしてもハラスメントのリスクを回避するためにできれば断りたい。一方、後輩は先輩から誘われても断れるし、何かあったらハラスメントを訴えられるうえに、先輩からハラスメントを訴えられるリスクは少ないため、自分から誘い自由に過ごせる。
特に一般の職場では「先輩は弱者のような振る舞いに終始し、後輩は弱者のように見せかけて実質的には強者のように振る舞う」という関係性が目立ちはじめています。
また、そんな関係性はコミュニケーション不足に陥りやすく、業績不振やミスにつながりかねないほか、若手の出世欲が失われるなどの現象も見られます。

