実際、売上高の前年比の成長率を見ると、下図のように赤字を掘りながら高い成長率を実現できていたことが確認できます。

同時に、近年では明らかに売上高成長率が鈍化しています。多くの顧客を得る中で、広告宣伝費を通じた成長に限界が見え始めているため、売り上げに占める広告宣伝費の割合を減らし、確実に利益を確保しにいっているとも言えます。
このような「広告宣伝費を減らして利益を出す」という選択は20年前後でもメルカリは可能だったものの、当時はまだ成長余地が大きかったので、赤字を掘ってでも成長を優先したことがわかります。
メルカリが赤字でも倒産しなかった事情
続いてメルカリのC/Sについて見ていきましょう。いくら成長ができるからといって赤字を掘り続けてキャッシュが尽きてしまうと、それこそ倒産してしまいます。
では、どのようにしてメルカリはキャッシュを確保したのでしょうか。下図はメルカリのC/Sを時系列で表現したものです。

この図からもわかるように、メルカリは一貫して潤沢な現預金を有しています。その理由は財務CF(キャッシュフロー)により資金を調達できていたからです。そのため赤字を掘って成長をすることができたのです。
なぜこれほどまでに赤字でも調達できたのかというと、1ページ目の棒グラフで見たようにメルカリはそれだけ成長をしていたからです。なお、18年6月期の財務CFの636億円のプラスは、上場時に株式市場から調達をしたものが多くを占めています。他方、19年6月期以降は銀行からの借り入れを中心に資金を調達しています。

