最後に、手足口病にかかった子の事例を紹介しましょう(クリニックの受診者ではありません)。
保育園で感染した0歳9カ月の女の子は、病院でもらった熱冷ましで熱は下がったものの、ごはん(ピューレ状のもの)をあげても食べられなかったそうです。ミルクはいつも通り飲めていたそうですが、母親は「おそらく痛いのを我慢して、飲んでいたのでしょう」と振り返っていました。
女の子はその後回復して、今は保育園に通っているとのこと。母親は「(保育園に通っているので)感染してしまうのは仕方がない。いかに大人がかからないようにするかが大変だった。(のどの痛みで)よだれがすごく、触ってしまったらすぐ手を洗うなどの衛生対策をできるだけ徹底した」と言います。
体調を確認しながら看病を
手足口病は子どもにとっては強い痛みとの戦いであり、親御さんにとっても痛みに耐える我が子を24時間体制で看病しなければならない、心身ともにたいへんな病気です。中国などではエンテロウイルス71型へのワクチンが実用化されていますが、日本ではまだ普及しておらず、型が多いためワクチンだけですべてを防ぐのは難しいのが現状です。
「今は一口飲めたから大丈夫」「おしっこが出ているから、乗り切れる」——そうやって1つひとつ体調を確認しながら、落ち着いて看病を続けてください。そして「いつもと違う、おかしい」と感じたら、それは医師に相談すべき大切なタイミングだということを忘れずに。

