2020年4月、Zoomは、中国サーバーを経由した通信を行っていることを公式に認めました[1]。これを受け、NASAやSpaceXはZoomの使用を全面禁止[2][3]。ニューヨーク市教育局も学校でのZoom利用を一時停止するなど、即座に警戒が強められました[4]。
同2020年8月、米国国防総省は、DJI等の中国製ドローンを政府調達から排除[5]。2022年10月、米国商務省は、中国向け先端半導体・AIチップの輸出規制を発表[6]。2023年2月、米国ホワイトハウスは、連邦政府機関に対して政府端末からTikTokを削除するよう指示[7]。2024年4月、米国議会は、中国製TikTokを全面禁止する法案を成立させました[8]。
米中間の対立の背景に「AI覇権戦争」
近年、加速する米中間の対立。この背景には、AI覇権国家を巡る争いがあります。いま、世界各国は、AIを国家戦略の中心に据える動きを見せています。
中国政府は、2017年に「次世代人工知能発展計画」を発表し、2030年までに中国を世界のAIイノベーションの中心とする目標を宣言しました[9]。そして、2年後の2019年に、米国政府は「米国AIイニシアチブ」を発表し、AIにおける世界的なリーダーシップを守り続けることを宣言しました[10]。
さらに、欧州でもAI規制の整備が進み[11]、中東でもAIを国家戦略の中心に据える政策が次々と発表されるなど[12][13]、世界各国が、ほぼ同時に国家戦略としてのAI政策を打ち出し始めました。日本もまた、「AI戦略2022」を発表しています[14][15]。
AIは確かに、現代を象徴する優れた技術です。しかしながら、デジタルテクノロジーの進歩が著しい昨今、AIだけが国家戦略の中枢を担うのは、どうしてなのでしょうか。

