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「中国経由のZoom禁止」「TikTok禁止」は序章に過ぎない…?大国が火花を散らす"AI覇権戦争"で起こりうる身近な影響

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AIと半導体のイメージ
国家戦略・企業戦略の中枢に位置づけられる「AIの役割」とは?(写真:coffeekai/PIXTA)
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それを実際に行うのは、巨大なデータセンターを実体としたクラウドサーバーです。クラウドサーバーの規模と性能こそが、AIモデルの性能を決定づけます。その性能を支えるのが、最新の半導体です。半導体が進化するほど、データセンターの計算能力は伸び、ひいてはAIモデルの性能を大きく高めます。

巨大なAIモデルの計算を実施するうえで最も欠かせないのが、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)と呼ばれる、画像処理のために作られた半導体です。画像処理とは、大量の画素計算を一気に並列して行うことです。大量の並列計算は、データを学習してAIモデルを生成するうえで必須の技術です。GPUをAIモデルの計算に用いることで、CPUのみで計算を行う場合に比べて10倍から100倍の高速計算が可能です。

ただし、GPUは並列計算に特化した半導体であり、それ単体ではすべての処理は完結しません。多数のGPUを制御してまとめ上げる役割は、サーバーの心臓部であるCPUが担います。

そして、こうした半導体の製造は、世界でもごく限られた企業の手に握られています[21]~[25]。GPU製造の9割以上を一手に引き受けるのがNVIDIA、最先端CPU製造で圧倒的なシェアを誇るのが台湾のTSMCです。さらに、半導体を製造する製造装置もまた、オランダのASMLなど、ほんの数社が世界のほとんどのシェアを握っています。そして、その一角を、ものづくりの伝統を持つ日本企業が担っています。

AIがもたらす変化に柔軟に対応していくために

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ここまで見てきたように、AIエコシステムは、いくつもの階層に分かれており、特にその下層は、限られた企業にシェアが大きく偏っています。それぞれの階層が、他の階層に依存しながら、鎬(しのぎ)を削っているのです。

あくまで、アプリケーションとしてのAIサービスを利用する私たちは、そのさらに上の階層にあり、下の階層の変化による影響を大きく受けざるを得ません。

その影響はすでに顕在化しています。前述したPC向けメモリの不足と価格高騰はその典型例です。巨大化したデータセンターが膨大な半導体を吸い上げ、PCに使うメモリが作れなくなってきているのです。こうした下層からの影響は避けようがありません。

しかし、構造を知っておくことで、受け身になる状況からは抜け出せます。半導体不足による影響に前もって備えておくなど、取り得る対応はいくつもあります。もし、この構造を知らなければ、PCの価格高騰などが実際に起こっても、ただただその現実を受け入れることしかできません。構造を知ってこそ、変化に対して柔軟な対応が可能になるのです。

参考文献
[1] 「Zoom admits some calls were routed through China by mistake」 TechCrunch (2020)
[2] 「Who has banned Zoom? Google, NASA, and more」 TechRepublic (2020)
[3] 「Elon Musk's SpaceX bans Zoom over privacy concerns -memo」 CNBC (2020)
[4] 「NYC forbids schools from using Zoom for remote learning due to privacy and security concerns」 Chalkbeat (2020)
[5] 「National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2020」 Public Law 116-92 (2019)
[6] 「Implementation of Additional Export Controls: Certain Advanced Computing and Semiconductor Manufacturing Items; Supercomputer and Semiconductor End Use」 U.S. Department of Commerce, Bureau of Industry and Security (2022)
[7] 「Guidance for Federal Departments and Agencies on Keeping Pace with Emerging Technology」 The White House, Office of Management and Budget (2023)
[8] 「H.R.7521 - Protecting Americans from Foreign Adversary Controlled Applications Act」 118th Congress (2024)
[9] 「新一代人工智能发展规划 (New Generation Artificial Intelligence Development Plan)」 国务院 (State Council of the People's Republic of China) (2017)
[10] 「Executive Order on Maintaining American Leadership in Artificial Intelligence」 The White House (2019)
[11] 「Regulation (EU) 2024/1689 of the European Parliament and of the Council on laying down harmonised rules on artificial intelligence」 European Parliament and Council of the European Union (2024)
[12] 「UAE National Strategy for Artificial Intelligence 2031」 UAE Government (2017)
[13] 「Saudi Arabia National Strategy for Data and AI」 Saudi Data and Artificial Intelligence Authority (SDAIA) (2020)
[14] 「AI戦略2022 ~誰もがAIを使いこなす未来に向けて~」 統合イノベーション戦略推進会議 (2022)
[15] 「デジタル田園都市国家構想総合戦略」 内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 (2022)
[16] 「Final Report」 National Security Commission on Artificial Intelligence (2021)
[17] 野中 郁次郎 他(著)、梅本 勝博 (訳) 『知識創造企業』 東洋経済新報社 (1996)
[18] Kent Beck, et al. 「Manifesto for Agile Software Development」 Agile Alliance (2001)
[19] 平鍋 健児 他(著) 『アジャイル開発とスクラム: 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント』 翔泳社 (2021)
[20] 「Dell・LenovoがPC価格を12月中旬から最大20%の大幅値上げ:メーカーが直面する「メモリショック」の全貌と2026年の絶望的シナリオ」 Xeno Spectrum (2025)
[21] 「Annual Report on Form 10-K」 NVIDIA Corporation (2024)
[22] 「Performance Analysis and CPU vs GPU Comparison for Deep Learning」 IEEE (2019)
[23] 「Annual Reports」 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited (2024)
[24] 「Annual Report」 ASML Holding N.V. (2024)
[25] 「世界シェアで減少傾向…ニッポン半導体装置、反転のキーワードは?」 日刊工業新聞社(ニュースイッチ) (2024)

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