では、どうすればAIを売上創出に結びつけることができるのでしょうか?
ここで重要になるのが、「AIを持ち込むべき領域を見極める」という考え方です。
私たちは、事業活動を大きく3つの領域に分けて捉えています。
ひとつは、「DX Area」です。
これは、デジタルによる業務効率化が効く領域です。作業の標準化、情報整理、処理時間の短縮など、既存業務をより速く、より正確に進めるための領域です。
もうひとつは、「AX Area」です。
これは、AIによって事業インパクトを出せる領域です。単なる効率化ではなく、顧客接点の増加、提案の高度化、新しい売上機会の創出など、収益構造そのものに変化を起こす可能性を持つ領域です。
そして3つ目が「Human Area」です。
これは、現場の肌感覚、顧客の違和感、常識を超える発想など、人間にしか担えない領域です。
3つを区別して、AI活用を考えるのが重要
この3つを区別せず、「とにかくAIを使おう」とすると、AI活用は散らかります。
本来はHuman Areaとして人間が向き合うべき顧客課題までAIに任せようとしてしまう。あるいは、AX Areaとして売上を創るべき領域を、単なるDX Areaとして処理時間削減に閉じ込めてしまう。
これでは、AI投資は経営インパクトを持ちません。
たとえば飲食店であれば、料理そのものをAIが作るわけではありません。料理の味、店の空気、接客の細部、常連客との関係性は、人間が担うべき領域です。
しかし、ターゲット別の案内ページ、SNS広告文、予約導線、キャンペーン訴求、来店後のフォローメールは、AIによって高速に試すことができます。
料理という「Human Area」を大切にしながら、顧客接点という「AX Area」をAIで広げる。
このように事業を要素ごとに分解することで、AIは売上創出に近づいていきます。
AI活用で本当に大切なのは、AIを使うことそのものではありません。
どこにAIを入れると事業が動くのか。どこはAIではなく人間が踏み込むべきなのか。その見極めこそが、AI時代の事業開発における出発点なのです。

