自律的に学び、最適な判断をする力の育成は喫緊の課題であり、そして、その判断を瞬時に行い、より大切な課題を優先しながら解決していくことこそが、これからの社会で生きていくために必要な力なのではないでしょうか。
となると、AI時代のテストは、正答する力だけでなく、自分の得意・不得意を踏まえてできる問題から解いていくという、最善の意思決定をする力も見るべきではないかと考えます。まずは問題全体を見渡し、「解ける問題から取り組もう」「この問題は後回しにしよう」と考えながら時間を配分する力は、現行の学調で測ることができるはずです。
そもそも学調はテストではなく「調査」だ
現在の学調は、学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を測るために設計されています。
確かに子どもによっては解ききれないほどの多くの難しい問題が並んでおり、制限時間もありますが、次期学習指導要領も引き続き「主体的・対話的で深い学び」の実現を重視していることを踏まえれば、その内容を根本から変える理由はないと考えます。
そもそも、これはテストではありません。調査です。26年度の全国の小中学生がどの問題ができて、どの問題ができないのか把握するという観点で大きな意味があります。調査結果が公表されると、できていないところにばかり注目が集まりがちですが、「こんな問題ができるようになっている」という点にも注目していただきたいと思います。
今後は、日頃から自分の得意・不得意を自覚して自己決定力を養い、テストも戦略的に解いていく。そうした力を身に付ける指導をしたうえで、調査結果を評価すべきであると考えます。つまり、必要なのは学調の見直しではなく、AI時代に合わせた力の育成と指導の改革です。

