温泉の「余剰」から生まれた文化
共同浴場とは、いわば温泉の「余剰」から生まれた文化だ。旅館や宿泊施設だけでは使いきれないほどの温泉が常に湧いている。だから地元の人々が共同で使うようになり、やがて観光客にも開放するようになった。
その背景には地質がある。那須火山帯と富士火山帯が接するこのエリアには、草津白根山・榛名山・赤城山など多数の火山が連なっている。地下深くにマグマの熱源があり、地下水が温められて地表近くに湧き出す。
四万温泉では、源泉の多くが川の中にある。そのため川岸に石を積んでせき止め、水圧をかけることで温泉を湧き出させる仕組みが発達した。同じ原理が、後編で紹介する場所でも活用されている。

