中に本物の宝石かパワーストーンが入っているにもかかわらず、税込み799円で発売された宝島社の『ぜんぶホンモノ! キラッと輝く! 世界の宝石発掘BOOK』は、4月14日の発売直後に完売する大反響を呼んだ。見た目は本というより、大袋のキャンディーのようだが、書店では児童書コーナーなどに置かれた。
宝島社は日本の出版業界における「雑誌の付録ビジネス」の先駆者であり、2025年には新たに玩具ブランド「宝島社トイズ」を立ち上げた。独自の企画力を活かし、「本」と「おもちゃ」と「ワクワク感」を組み合わせた商品を開発。開封するまで中身がわからない“パックガチャ”と名付け、一般書店や公式オンラインストアなどで販売する。
こうした取り組みを始めた目的について、事業の仕掛け人に聞いた。
「偶然見つかる」楽しさも訴求したい
「宝島社は、これまで雑誌の付録として、バッグやおしゃれルーペメガネなど、さまざまな“グッズ”を全国の書店流通網に乗せて届けてきました。
この強みを活かし、おもちゃ屋やカプセルトイ店に足を運ばなくても、『書店でガチャガチャのようなワクワク感を体験できる仕組みを作りたい』と考えたのです」
開発責任者の清水弘一氏(開発局局長 兼 統括編集長)はこう話す。清水氏は、これまでもユニークな雑誌付録やグッズ開発を行い、書店売り場の商品展開を拡げてきた同社の付録ビジネスの牽引者だ。
「現代はネットショッピングが充実して便利になりました。しかし、高度なアルゴリズムに支配されてしまい、『あなたの好きなもの、欲しいもの』『この商品を買った人はこんなものにも興味があります』と、すべて先回りしておすすめされる一面もあります。
効率性は上がりましたが、一方で、かつて街の書店や雑貨店で偶然見つけたものを衝動買いするといった、“予想外の商品と出合う楽しさ”は失われてしまいました。しかし今の消費者は、潜在的な趣味や関心が見つかるきっかけも求めていると感じます」
そこで、これまで培った書店やコンビニルートを生かして、新しい形でグッズ開発を行うことにした。

