エレベーターを降りると、それまでの雰囲気がガラリと変わった。全体的に薄暗く、どことなく寂しい感じの空気感が漂っている。廊下のマットはかなり年季が入っている。廊下では部屋にいる人の物音が聞こえてくる場所もあったが、基本的には静寂に包まれており、なんだかちょっと不気味な感じがする。
恐る恐る、私は木目調のカードキーを使って、指定された部屋の中に入った。
ソ連時代にタイムスリップ
部屋に入った瞬間、私の素直な感想は「これ完全にソ連の時代にタイムスリップしちゃったよ」「全体的にちょっと老朽化してる感じが、逆に味が出てるなぁ」「社会主義時代の名残をムンムン感じるぞ」といったポジティブなものだった。
紅色で統一された広々とした部屋には、キングサイズのベッド。アンティークな家具。韓国製のエアコン……。クローゼットの中には小型金庫。冷蔵庫の上の棚には電気ポットとコップ、ボトル入りの水。ベッド横のサイドテーブルには、ラジオらしいものもあったが、ポチポチしてみたが機能しなかった。
