守屋:明治維新はある種の乱世で、そうせざるを得なかったのだと思います。平時と乱世の違いは、過去の経験則が通用するのか、しないのかに尽きます。国際情勢にしろ、AIの進展にしろ、10年前には想像もつかなかった状況になっています。明治もまさにそうで、昔と同じことをするのでは通用しないから、自分で新しいものを作る、ないしは、新しいものを目指すほかなかった。
田久保:それは現代にも通ずるところがある一方で、今の変化は明治時代ほど社会システムが抜本的に変わったわけではない。AIは進展していますが、その他はそれほどでもない気もします。
守屋:面白いのは、明治時代は今と比べて、ものすごいアドバンテージがあったことです。石炭と銅が日本でざくざく取れて、三菱は高島炭鉱、三井は三池炭鉱、住友は別子銅山と、三大財閥が燃料や資源をしっかりと押さえていました。そういう有利な条件があったから、ここまで近代化ができた気がします。
田久保:人間の戦争はほとんどが水とエネルギーの取り合いですよね。そういう条件が揃っていたところは、確かにそうかもしれませんね。ただ、明治の大変な状況に直面した中で頑張れたという事実や、そういう先輩たちの生き様は、みなさんにぜひ知ってもらいたいと思います。ストーリーとしても面白いので、講師仲間の読書会でもこの本を使わせていただく予定です。
守屋:ありがとうございます。当時の人は面白いキャラが多いですよね。それから「イントレプレナー」の重要性もすごく上がっているとも思います。両利きの経営で探索的な新しいものを出すことができないと、今ある事業が突然死する可能性すらありますから。激動の時代を恐れることなく、昨日の自分を少しずつ超えながら新たな一歩を踏み出す姿勢こそが、これからの未来を生き抜き、新しい価値を生み出す原動力となるのではないでしょうか 。
(構成:渡部典子)



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