「あーあ、ここもダメかあ」
博物館の周囲は文字通り怪しく、意味不明なオブジェがごちゃっと並んでいます。その無秩序な風景に、なんとなく、見覚えがあるような気がしました。
「昔、夫と来たかも……」
10年以上前、子どもが小さい頃に訪れた記憶が蘇ってきました。当時の私は旅先で写真を撮る習慣が根付いておらず、記録が残っていなくて、そのまま記憶の彼方に消えてしまった思い出がいくつもあるのです。
「本当ですか」
「うん。確か、ここだったと思う」
ふとよみがえった夫との思い出
どんなものが陳列されていたかはっきりとは思い出せませんが、夫も楽しんでいたような覚えがあります。夫も、「怪しいもの」「不気味なもの」「奇妙なもの」が好きでした。夫婦で映画や漫画などの趣味が合っていたのは、この辺りのダークな好みの合致も大きかったのです。
「どうだったか、中を見たいなあ」
私がつぶやくと、「明日、帰る前にまた来ましょうよ」と2人が言ってくれました。「私たちも、観たいですから」。
その言葉に甘え明日チェックアウト後に再訪することにして、私たちは宿に戻る前に、近場にある「伊豆高原・旅の駅」に立ち寄ることにして車を走らせました。

